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果樹園は、なかなか休みもなく体力が必要な仕事です。

年齢や体力を理由に仕事を辞めたいと思っていても、「果樹園を継いでくれる人がいない」という理由から、続けている人もいるかもしれません。あるいは、経営はすでに辞めているものの、「休耕地」の状態で放置している人もいるでしょう。

果樹園のゆくえを思い悩んでいる人にとっては、「売却する」のも解決策のひとつです。ただ、果樹園は普通の住宅地などと違って、売却するときに特殊な制限が関係して、簡単に売却ができないこともあります。

売却を考えているときに知っておくとよい知識について、説明していきます。

▼果樹園売却の悩みをスッキリ解決!
tochihack-sensei

果樹園の売却とその方法について分からないことがあるとモヤモヤすることって多いですよね。

「果樹園の売却で失敗したくない…」

「果樹園を売る方法が分からない…」

「何も問題なくスムーズに売りたい…」

今回は、このような悩みを持った方に対して、できる限り分かりやすく細かく解説しています。

▼本記事の結論とポイント
果樹園は農地法のルールを基に正しい売却の流れが決まっています。

しかし、ほとんどの人はそのルールを詳しく知らないために正しい手順で売ることができているのか、適性価格で売ることができているのか、その部分が非常に曖昧です。

もちろん果樹園をそのまま放置していると環境悪化と同時に税金が多くかかってくるため、ほとんどの方が売却や活用してお金に変えています。そうした時におすすめなのが不動産のネット査定です。

もし、既に決めている不動産屋があれば良いのですが、まだ決めていない場合は「イエウール」や「タウンライフ」を使うことで果樹園の状態や環境に合った売却価格を知れたり、相談することができます。

先に結論を見たい方は、本記事内の「果樹園の売却まとめ」に飛ぶとすぐに確認できます。

果樹園は農地

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あらゆる土地は、何に使うための土地かによって「地目」に分類されています。

主なものが、宅地、田、畑、山林、雑種地ですが、そのほかにも多数あり全23種あります。果樹園は、田や畑と同じ分類の「農地」で、分類的には「畑」に該当します。

田や畑などの農地は、農地法でさまざまな制限があり、それに反した条件では売買ができないことになっています。

農地は国によって守られている土地

農地が「農地法」という法で規制されているのは、「国民の食生活を守ることに繋がる農地を減らさない」という理由から。農地はできるだけ食物を栽培してほしいという国の希望の表れでもあり、なかなか簡単には却できないのです。

農地法があることで制限されることとは?

農地法で知っておきたいのが、「農地は売却する相手を選ぶ」という点です。農地を売ることができるのは農業従事者という要件があるので、売る相手は農家でなければいけません。

そして、購入希望者が農業をやっているとしても、さらにクリアしなければならない要件があります。「農業を営むための機械を持っていること」「購入者およびその家族は常時農業に従事できるのか」などです。そのため、「これから農家をやりたい」「この果樹園を購入して誰かに農業をやってもらう」なども認められません。

農業の知識に長けた人ならよいという意味でもなく、「主に農業で生計をたてている」という人にでなければ売却できないのです。

また、
・農地の売却は必要な書類を集める
・申請をして審査を受ける
・結果により許可される
など、売却が認められるまでに期間を要します。

農地転用で売ることもできる

果樹園という状態のままの売却では、条件をクリアできる農家にしか売れず、買い手が限られるのが難点です。そのため、「畑をやめて宅地にします」とできれば、農地法の制限がなくなり買主が見つかりやすいかもしれません。そこで、「農地転用」を経てから売却する方法もあります。

農地転用ってなに?

土地の用途を、「畑⇒宅地」「田⇒宅地」など、別の地目へと変えるのが農地転用です。

農地転用の条件とは

農地転用には「転用できるかできないか」の条件があり、さらにその農地がどこにあるかによって、届け出や認可の難しさが変わります。

 農地転用の手続きとは?

「どうして転用したいのか」という目的がチェックされますし、立地によっては転用そのものが不可であることも少なくありません。そのため、「宅地にした方が売れやすくなるだろう」という安易な理由は却下されるかもしれません。

また、立地によっても転用が難しくなります。周辺環境が農地ばかりにある果樹園なら、「農地としてぴったりな立地」なので「宅地にしたい」というのは厳しいかもしれません。

市街化区域内の農地は宅地への転用がしやすい

「これから市街化を進めていこう」と考えられている“市街化区域”のなかにある農地なら、宅地への転用がしやすいかもしれません。農業委員会へ必要な書類を添えて届け、受理された後に、地目を変更できます。

市街化調整区域は転用が難しい

市街化調整区域とは、市街化区域とは逆の考えで、「市街化を抑制しよう」と定められているエリアです。つまり、「今後建物を建てたりしないように」という考えが想定されています。そのため、「農地から宅地にしたい」という転用はそもそもNGで、届け出をしても原則的には許可がおりません。

ただ、「転用したい農地がどこにあるか」も含め、「転用したい目的」などによっては、転用が認められることもあります。詳細については土地によって異なるため、「農地売却に詳しい」という不動産会社への相談してみましょう。

土地を整えるための費用がかかる

農地転用は、「地目を変えればOK」という意味ではありません。農地から宅地へと変更するなら、地目を変えるとともに、家を建てられるように土地を整える必要があります。樹木の伐採費、伐採した後の整地費、宅地にするための地盤改良費など、結構お金がかかるでしょう。

果樹園は、他の農地と違って「木々がたくさん植えられている土地」なので、それを取り払うためにお金の負担があることを想定しておきましょう。

果樹園の売却まとめ

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果樹園は農地法のルールにともなって売却しなければならず、農業を主な仕事にしている人が買い手になります。ただ、現在農家の人はすでに農地を持っているわけで、「新たな果樹園を購入したい」というケースはあまりないかもしれません。

「そのまま売却した方がいいか」それとも「農地転用で宅地にすべきか」などはなかなか判断できないかもしれません。難しい点も多いので、専門家である不動産会社に相談することで、細かいアドバイスがもらえるメリットがあります。

ただ、「農地の売却には疎い」あるいは「そもそも農地は取り扱っていない」という不動産会社も存在します。特殊な土地であるがゆえ、慎重に売却を進めていきたいもの。何社かの不動産会社に相談し、依頼してみましょう。