限界集落が意味する問題点とは。過疎化が深刻な地方での対策や事例、その効果など

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「限界集落」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

最近、ニュースやテレビドラマなどでも取り上げられる機会が増えているので、「何となく知ってる」という方も多いでしょう。ただ、実際にどのくらい限界集落があり、具体的にどのような問題が起こっているのかまでご存知の方は少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、限界集落の問題点や対策とその効果について紹介していきます。

この記事は、

1.限界集落が何なのか知りたい
2.実家が限界集落ではないか心配
3.限界集落になる傾向や原因が気になる

そう考えている方にオススメです。


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限界集落って何?現代の限界集落とは

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そもそも、限界集落とはどのようなものなのでしょうか?

これは、人の集まりとしての「集落」から人が流出して過疎化が進み、コミュニティとしての維持ができなくなっている状態の町や村を言います。共同体としての集落維持が限界に達しているので「限界集落」と言います。

集落というと、もともと小規模な農村や漁村などを意味しますが、限界集落というと、そのような小規模の集落の中でもさらに過疎化が進んで機能不全になっている(またはその寸前の)状態を表します。

数値的には「65歳以上の人が人口の50%を超えると限界集落になる」と定義されます。

これは、集落の構成者が高齢者ばかりになると、労働力も低下して、各種の産業やサービスも不活性化し、集落が機能しにくくなるためです。

いったん限界集落になると若年層が集落外へと出ていくため、より限界集落化が加速するという悪循環に陥ります。

限界集落の種類

それでは、限界集落には、いくつかの分類があるのをご存知でしょうか?

実は、限界集落は状況の深刻さによって以下の通りに段階分けをすることができます。1つずつ見ていきましょう。

準限界集落

準限界集落とは、限界集落に至る一歩前の段階です。

まだ若年層や壮年層が集落内に残っていて「限界」にまでは来ていないけれどももう少し人口流出が進んだら限界集落化してしまうおそれが高い状態です。

目安の数字で言うと人口の50%以上が55歳以上になってしまった集落です。

限界集落

限界集落は、先にも説明した通り、若年層がいなくなって過疎化が進み、目安の数字で言うと人口の50%以上が65歳以上になってしまった場合です。

危機的集落

危機的集落とは、限界集落の段階が進み、もはや廃村直前になった状態です。

目安の数字では65歳以上の人口が70%を超えてくると危機的集落であると考えられます。

 

限界集落となってしまう原因

集落が機能不全になって廃村のおそれも高い限界集落ですが、こうした集落は最近作られたものではなく、何十年、100年以上も昔から、長年続いてきた村であることも多いです。それが現代の便利な時代になり、どうして限界集落となってしまっているのでしょうか?

限界集落の原因はどのようなものなのか、考えてみましょう。

原因①:集落内に産業がない

限界集落には、これといった目立った産業がないことが多いです。昔からの農村や漁村では、若者は農業や漁業を継ぐしかありませんが、こうした仕事は収入も低く不安定で、生活を維持できないこともあります。

しかも年中無休ですから魅力を感じられないのも当然で、若者はこうした仕事に就くことを嫌い、村から流出してしまいます。

結局、集落内では跡継ぎがいないまま高齢化がすすみ、そのまま廃業をしてしまいます。

若者がいなくなるため、新たな産業が発展する可能性もなく、村ごと衰退が進んでいきます。

原因②:集落自体に魅力がない

限界集落は、住人にとって、住むための魅力がないことが多いです。

生活の基盤となる大きなショッピングセンターもなく、映画館やテーマパークなどの娯楽施設もありません。

若者にとっては刺激がなさ過ぎて、住んでいてもつまらないと感じます。

今はテレビやネットなどもあるので、都会に行くと、そういった楽しい娯楽がたくさんあるという情報だけはたくさん得られます。すると、若者などは、魅力の少ない限界集落を捨てて、どんどん都会に出て行きます。

原因③:不便である

限界集落内の生活は、都市部に比べて非常に不便です。

生活に必須の医療サービスを受けるにも遠くの病院に行かないといけませんし、公共交通機関などのインフラが整っていないので、車での移動が必須です。役所に行くにも一苦労ですし、子育て支援などの行政施策も整っていません。

このような不便な生活を嫌って人が外に出て行くのは当然です。

集落内に移住してくる人がいない

人口流出が激しい場所でも、反対に流入があったら人口減少は起こらず、産業も衰退しません。ところが、限界集落では、集落内への移住者もいません。

最近では、地方移住も流行っているのですが、もともと都市部に住んでいた人が来るのは、最低限の便利さがある場所やインフラのある場所です。

本当に何もない限界集落に行かずとも、それなりの生活を維持しながら地方生活を楽しむことは十分可能です。

そこで、あえて限界集落に移住してくれる人がおらず流出だけがどんどん進んで限界集落化していきます。

限界集落の問題点

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それでは、限界集落が発生すると、どのような問題があるのでしょうか?

問題点①:放棄地が増えてしまう

まず、限界集落になると放棄される土地や不動産が増えてしまいます。

限界集落では、構成者が高齢者ばかりとなるため、農地の管理などもやがてできなくなって放棄してしまいます。すると、耕作放棄地となり荒れ地が増えていきます。

また、人が少なくなると空き家も増えます。

不動産は、誰かが管理しないとどんどん傷んでいきますが、高齢者ばかりの集落では適切に物件を管理することもできず、朽ちる寸前の空き家や、実際に朽ちてしまう空き家も出てきます。

空き家や荒れ地が増えると、周辺環境が悪化するので集落としての価値はさらに低下して限界集落化が加速します。

問題点②:食糧自給率が下がる

日本では、伝統的に地方部で農業や漁業が行われてきました。国産の農産物や水産物もたくさんスーパーマーケットなどに並んでいますし、都会の人もこうした産業の恩恵をうけていることが明らかです。

しかし、地方で限界集落化が進み、誰も農業や漁業をしなくなってしまったら、こうした国産の農産物や水産物を味わうこともできなくなります。

食料の自給率は、国力を維持するために必要ですから、限界集落化によってこうした第一次産業が衰退することは日本全体にとっても大きな問題です。

問題点③:災害リスクが上がる

農地には食糧自給率以外にもいろいろな機能があります。たとえば、大雨が振ったとき、水田がため池の役割を果たすので、川に水が押し寄せるのを防止しているとも言われますし、農家が農の点検や補修をすることが土砂災害を予防しているとも言われます。

農地が放棄されると、こうした機能も果たせなくなり、災害のリスクも高くなるおそれがあるのです。

問題点④:限界集落を維持するための負担が増える

限界集落の問題点は、限界集落外の人にも及びます。

日本で生活をしている限り、国に税金を払わないといけませんし、払った税金は国が種々の施策や政策を実施するために使います。その中でも、全国のインフラ整備は重要です。人が居住している限り、国も放置することはできません。

人がほとんどいない限界集落にも最低限のインフラ整備のお金は必要ですが、こうした負担は、都市部の人にかかってきます。

問題点⑤:治安の悪化

限界集落というと、高齢者ばかりだから犯罪が起こらないと思うかもしれませんが、そういうわけでもありません。空き家が増えて人がまばらになることで、かえって犯罪行為をしやすくなります。

誰も見ていない空き家内で違法な取引をしたり盗品を隠したり、違法な植物を栽培したりすることも可能です。

限界集落は国内にどのくらいの数があるのか?

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このように問題が多い限界集落ですが、日本の中に果たしてどのくらいあるのでしょうか?

国内の限界集落数

平成28年3月において、国土交通省によって発表された調査結果によると、75662の集落のうち、65歳以上の人口が50%を超える限界集落は、全国で15568集落となっています。調査対象のうち、限界集落の比率は20.6%にもなっています。

平成22年の段階の調査では、限界集落数は全国で10091集落、全体に占める割合は15.5%だったいう結果がありますし、その前の平成18年における調査では、限界集落数が7878集落で、全体比は12.7%だったという結果があるので、ここ10年の間に限界集落数や比率は確実に増えていることがわかります。

65歳以上の人口が100%となっている限界集落も、全国に801集落ありました。平成22年における調査では575集落だったので、この数も増えています。

75歳以上の人口が50%以上を占める「危機的限界集落」も、全国に3457集落ありましたし、全員が75歳以上の限界集落も306集落ありました。

このように、ここ5年10年の間だけ取り上げても、限界集落数は増加する一途となっています。

<参考:国内の限界集落の調査結果

限界集落になりやすい地域とは?

同じ田舎でも、限界集落になっている場所とそうでない場所があります。限界集落になりやすい地域とはどういう場所なのでしょうか?

限界集落の比率が高かったのは、最も大きかったのが四国圏内、次いで中国圏内、九州圏内と続きます。

また、上記の統計結果を見ると、65 歳以上の人口が 50%以上となっている限界集落には”ある特性”があります。

まず、限界集落には人口規模も世帯数の規模も小さい集落が多いことです。そして、役場(本庁)から遠い場所にあり山間地や離島に限界集落が多いです。

つまり、住むのに不便で居住条件が厳しくなると、その分限界集落化しやすいのです。

限界集落への対策方法や効果は?

限界集落が増えると、耕作放棄地や空き家が増えますし、治安も悪化するおそれがあり、放置していると問題があります。

そこで、自治体も限界集落対策に取り組んでいます。具体的にはどのような手段が執られているのでしょうか?

対策方法①:企業誘致

1つ目の方法は「企業誘致」です。

田舎に大きな会社を誘致できてオフィスが設置されたら、自治体にも税収入が入りますし、若者の働き口もできます。また、オフィスに勤務する人が移住するため、高齢者の人口比率が下がりますし、人が増えることでレストランなどのお店も開業し、集落が活性化していきます。

企業誘致に成功した事例

実際に企業誘致による限界集落対策が行われている地域もあります。

たとえば、徳島県の神山町は、人口がわずか500人で、全体の8割以上が山間部という過疎地域でしたが、東京や大阪のIT企業が進出し、2011年には人口が増加に転じました。

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これにともなってレストランや弁当屋などが開業し、新たな産業が生まれていますし雇用も増えています。

ここでは2004年から隣村と連携をして、光ファイバー網を整備しました。これにより、IT企業を誘致しやすくなり、現在の成功につながったのです。

オフィスの労働者からも「職場が近くて満員電車に乗らなくていいのでストレスが減った」「自然が多いので、リラックスできる」と評価されています。

方法②:空き家の活用

限界集落では、空き家の発生が重大な問題となっています。空き家が増えると朽ちて景観が悪くなり周囲に迷惑を及ぼす可能性がありますし、治安の悪化にもつながります。

空き家バンクで活性化

空き家を活用するための方法として注目されているのが、空き家バンクです。空き家バンクとは、自治体が間に入って空き家を活用したい人と空き家を使いたい人をマッチングするサービスです。

空き家を貸したい人や売りたい人は、空き家バンクに登録し、空き家を使いたい人は自治体に連絡してそういった人を紹介してもらいます。

このことにより、マッチングが成功した例もたくさんあるため、現在注目されている方法です。

⇒空き家バンク実施の市町村を確認する

方法③:空き家を集落の活性化に活用する

放置された空き家を各種の事業に活用することもできます。

たとえば、移住希望者がいるとき、空き家に体験入居してもらって集落体験をしてもらうことがありますし、集落内での農林漁業の体験用の宿泊場所として使ってもらうことも可能です。

方法④:イベント事業の開催

限界集落は「楽しみがない」と思われていることが多いため、イメージアップも重要な施策です。そのため、各種イベント事業を開催することで集落のPRが行われます。

今はネット社会ですから、田舎の不便な場所でもネット上で話題になったら集客は可能ですし、地域の知名度も上げることができます。

限界集落に関するまとめ

今回は、限界集落とその問題点、解決方法についてご紹介しました。なかなか効果的な対処ができていないのが現状ですが、放っておくことのできない問題です。

空き家バンクなどを活用して、徐々に効果が出てきている自治体もあります。

今後田舎の空き家を相続する方などには決して人ごとではないので、今回の記事をきっかけに、一度よく考えてみてはいかがでしょうか?

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コメント

  1. 窪田征司 より:

    限界集落の農地としての放棄地活用は限られます。一、鳥獣被害に遭わない 二、傾斜地での粗放栽培ができる 三、通いでもできる農業ではないでしょうか。その農業は特用林産樹種(銀杏や栗)や野生花木樹の選択を含む、「山間地の花木園・茶園化、中間地の果樹・花木園化」ではないでしょうか。

  2. 窪田征司 より:

    中山間地の再生には最小投資で最大効果が発揮できる提案が今、求められる。既存の各種公園に加え、新たに小規模多機能農業公園を配置し、道の駅や高速サービスエリアと既存のハイキング、ウォーキング、トレッキングコースとの連結による休憩サービス拠点としたい。中山間地再生には先ず「歩く人々」の気配を取り戻し、鳥獣との共生を探りたい。農業公園には農地バンクの出先として中山間離農放棄地への多面的機能維持に貢献できる農業開発と新規参入者誘致を担ってもらうことだ。農業公園の職員は定住ではなく在住で永続性が保たれる。先代を持たない新規参入者には先代身代わり人による「参入しやすく撤退しやすい」包括的賃貸借制度の適用で次から次への新規参入や経営継承がしやすい農業業態の開発と新規就農制度で応えたい。

  3. 窪田征司 より:

    限界集落への移住・定住を求める新規参入者誘致は難しい。地方のコンパクトシティ化にも背反する。至近市街地への移住定住による「通いの農業」容認となる。誘致対象は先代を持たない新規参入者としたい。先ずはそれぞれの自治体による「通いでもできる農業業態の開発」が欠かせない。同時に、安全な平地の選択肢を放棄してまでの中山間地への就農には「通い」に加え、「新規参入し難い農業への参入しやすい手段の提供」が求められる。参入し難い農業とは例えば収穫収入までに何年もの期間がかかる果樹・花木・茶園等永年性作物栽培農業の提供だ。参入しやすい手段の提供とは農地賃貸借条件での「収穫が見える樹園の青田売り」だ。遠隔監視による鳥獣被害防止が可能になるまでは「山間地への花木園・茶園・桑園化」の選択肢に止めたい。農業業態の選択には地主としての地代がより多く、長く、安定して得られる農地の活用で、且つ、中山間地の多面的機能維持にも貢献できる農業業態の特定化が問われる。

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