【最新版】コンパクトシティ構想が成功・失敗する理由と今後の課題や問題点を解説

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皆さんは「コンパクトシティ」という言葉をご存知でしょうか?

これは政府主導で進められている施策であり、主に地方都市において、医療や商業施設などを街の中心部に集め、集約化しようというものです。このことで、都市機能を効率的に高めて住民の利便性を高め、都市の発展に役立てようとしています。

ただ、そううまくいくことばかりではありません。

そこで今回は、コンパクトシティ構想の事例や問題点、メリットやデメリットなどを解説していきたいと思います。

この記事は、

1.コンパクトシティとは何か知りたい
2.住んでいる地域が対象なのか知りたい
3.どんな良い悪い影響があるのか?

そのように考えている方にオススメです。

 


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コンパクトシティとは

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そもそもコンパクトシティとはどういったものなのでしょうか?

言葉の語感からは「何となく小さくコンパクトに集まった街のこと?」と想像するかもしれません。その考えは、当たらずしも遠からずです。

コンパクトシティとは、人口が減少して県内に人や都市機能が分散して非効率になっている地方都市において、人口や都市機能を特定の箇所に集中させて密度を高め、サービスや産業の向上に役立てようという構想です。

たとえば、生活に必須の医療サービスも、人口密度が低い地域では足りなくなっている県が多く、車での移動が困難な高齢者や障害者などは、必要なサービスを十分に受けられていませんし、役場などに行く際にも一苦労です。

そこで、より効率的に行政を運用してよりよいサービスを提供するため、人口や商業などの産業と高密度に集めて、都市のコンパクト化を実現する必要があります。

コンパクトシティ構想は、各都道府県や市区町村において、中心部に人や物を集中させ、高齢者等であっても徒歩で生活ができるような状態を実現しようという目的で進められています。

コンパクトシティの問題点とは?

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理屈だけを聞くと良いことばかりのようなコンパクトシティですが、問題点もあります。

最も大きいのは「住民の意向を無視している」ことでしょう。

人間は、自分の住みたい場所を自分で選ぶ権利があります。医療や商業施設にしても、採算がとれない場所に開業することはできません。

「都市機能を集中させるから、街の中心部に引っ越ししなさい」「中心部に開業しなさい」と言ったところで、もともと住み慣れた場所に住み続けたい人は引っ越しをしないでしょうし、売上げが上がらなければ、商業施設も撤退してしまいます。

実際に、コンパクトシティ構想が実施された青森市などでは、市民の中に「街中には住みたくない」という意見も聞かれます。そうした中には「街は家賃も土地も高いから、家を買うなんて出来ない。お金がある人しか住めないし、ふつうの年寄りには無理。生まれてから60年以上暮らしてきた場所を離れることも、考えられない」という声もありました。

政策が法律上で過剰な介入ではないかとの意見も

日本の憲法では、国民に「居住・移動の自由」が保障されていますが、コンパクトシティ化を進めることは、これに対する過剰な介入ではないか?という意見もあります。

住民や産業を中心部に集めるにはある程度の強制も必要ですが、そういったことをすると経済的な合理性に反したり居住の自由を制限したりする可能性があるため、なかなか即効性のある施策は出しにくいのです。

コンパクトシティの事例

それでは、コンパクトシティにはどういった事例があるのでしょうか?

主な成功事例

コンパクトシティ構想をすすめた自治体はいくつもあるのですが、なかなか成功することは難しいです。

そのような中、一定の成果を上げている大分市の取り組みをご紹介します。

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大分市は、2009年頃にはJR大分駅周辺でも人の行き来がまばらで、都市としてはさびれた地域となっていました。それが今や、商業化して交通量も人通りも多く、劇的に変化を遂げています。これは、大分市がJR九州とともにコンパクトシティ化に熱心に取り組んだ結果です。

きっかけは、2011年11月、JR九州が駅ビル建設の構想を出したことでした。

これは、大規模な駅ビルを2015年春にオープンして、2年後には200億円の売上を見込むものでした。

期待と不安が交錯する中、事業を進めて2013年7月、駅の南側に「ホルトホール大分」という複合商業施設を開館し、2014年度には目標である200万人を超える来館がありました。

また、2015年4月16日、実際に大分駅ビルである「JRおおいたシティ」が開業しました。

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これにより、大分駅では、周辺の市町村からやってくる乗客数が約30%も増加して、1年後の2016年3月末までの駅ビル入館者数は、目標であった1100万人の2倍を超える2420万人となり、売上高も224億円に達しています。

さらに、同年3月には「東九州自動車道(豊前IC~宇佐IC間)」が開通して、福岡県と大分県が結ばれたこともプラスに働いています。

そして、駅ビル開業から8日後である2014年4月24日には、大分県立美術館を開館させて、2015年7~9月には、アートフェスティバル「おおいたトイレンナーレ2015」を開催し、多くの人を集めました。このことで、駅と美術館をつなぐ商店街で、人通りが増えて都市が活性化しました。

大分市は、今後、東九州の中核都市となり、周辺の地域とも連携して観光PRやキャンペーンを実施して、集客を図る考えです。「大分県文化創造戦略」を打ち出していますし、2018年度には「国民文化祭」、2019年には「ラグビーワールドカップ」の開催地にも決定しており、スポーツや文化プログラムとの相乗効果も狙っています。

主な失敗事例

次に、コンパクトシティの失敗事例をご紹介します。

失敗事例はいくつもあり、青森なども有名なのですが、ここでは秋田市の事例を話してみます。

秋田市は、郊外開発を抑制し、市の中心部に必要な施設を集める「コンパクトシティ」をすすめており、この中核とされていたのが、「エリアなかいち」でした。これは、事業費135億円、15年の歳月をかけて建設した大規模な施設で、中には店舗や美術館、広場や住宅、駐車場等が設置されました。

ところが、2014年1月、その「エリアなかいち」の中核の商業テナントである「サン・マルシェ」が、撤退を表明しました。理由は、売り上げが思うように上がらず、赤字が続いたことであり、実際にその年の3月末に撤退してしまいました。

代替テナントも決まらず、5月中旬には青果店や鮮魚店などの他のテナントも撤退してしまい、売り場の4割が空きスペースになりました。2014年6月4日には、「エリアなかいち」の運営会社の社長や役員計7名が辞任しています。

このように、結局、自治体主導でコンパクトシティ化をすすめても、期待していたように利用者の伸びが実現されなければ、独りよがりとなって失敗してしまうのです。

コンパクトシティのメリット

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コンパクトシティは、うまくいけばメリットがたくさんあります。

たとえば、都市の中心部に医療や商業施設が集中すると住民にとって便利です。特に、高齢者や障害者などの社会的弱者にとっては、徒歩圏内に必要な施設がそろっていると非常に利用しやすいです。

人が多く集まる地域は商業等も盛んになるため、街の活性化にも役立ちます。仕事も増えるので労働力も集まりやすくなり、若い世代も流入してくるので、少子高齢化に対する有効な対処にもなります。

人と物と金が集まることで、町の経済的発展にも貢献しますし、医療サービスの向上や行政サービスの向上、道路や上下水道の整備などのインフラ整備もすすみます。

コンパクトシティ化で環境問題に一役買うことも

コンパクトシティ化を実現すると、郊外で車を使った移動をする必要がなくなって排出ガスを規制する効果もあり、環境問題対策にもつながります。

人が集まると、消防署なども機能しやすく、それぞれの住民の生活状況を管理しやすいため災害時の対処なども行いやすくなり、防災上も役立ちます。

特に、津波や高潮、土砂崩れなどの自然災害が起こりやすい沿岸部や山間部から都市の中心部へシフトすると、そもそも自然災害に遭いにくくなります。

コンパクトシティのデメリット

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コンパクトシティには、失敗事例が多いことからもわかるように、多くのデメリットがあります。

まず、住民の居住地域を制限してしまうことです。

コンパクトシティ構想を実行しようとするとき、自治体は「居住地域」と「環境保全地域」を区分けすることが多いです。これによって、ある特定の地域への移住を進めるのですが、住民側にとっては居住地域が制限されることになります。

今の場所を気に入っている人にとっては迷惑にしかならないこともありますし、賛同しない人も増え、失敗につながる要因となります。

居住環境の悪化や犯罪率の増加が懸念される

また、コンパクトシティ化を進めると、都市機能を集めた街の中心部の人口密度が上がり、居住環境が悪化することがあります。犯罪率が上がることもありますし、プライバシー侵害や騒音、日照トラブルも起こるので、これまで静かな田舎で暮らしていていた人には我慢しにくくなります。

都市部は物価も高いので、収入が少ない人にとって、移住が事実上困難であるケースもあり、「国が勝手に言っている夢物語」に聞こえてしまいます。

土地の価値が下がる

コンパクトシティ化を進めると、都市機能を集められた中心部の地価は上がりますが、田舎の土地はますます価値が下がってしまいます。このことで、資産格差が発生し、国民間での財産格差も大きくなり、固まってしまいます。地方に土地を持っていた人はその土地を売ってもお金にならないので、都市に移動したり生活したりすることが、より困難となります。

政府主導で大規模な複合施設などを作っても、その後の運営は民間の会社に任されます。思うように人が集まらなければ運営に行き詰まり、秋田市のように破綻してしまいます。結局、行政的な施策で一方的にコンパクトシティ化をすすめようとしても、人や物、金がついてこなければ経済的合理性を得られず失敗するのです。

コンパクトシティ構想を成功させるには、こうしたデメリットやリスクを踏まえて、これを乗り越えられる有効な計画・施策にもとづいて進めることが必要です。

コンパクトシティのまとめ

今回は、コンパクトシティについて解説をしてみました。

うまくいけばメリットも大きい考えですが、実現するには政府と民間が協力して、住民の意向や経済的合理性を見極めながら進めていくことが大切です。

身近でコンパクトシティ化構想が実行されているなら、今回の記事を参考にして注視していくと良いでしょう。

 


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