農地を所有している場合には「売却してしまいたい」と希望することが多いです。
自分が農家ではないけれども農地を相続することもありますし、農家をリタイアしたいケースもあるでしょう。
しかし、農地は通常の宅地のように簡単に売買することは認められていません。
そこで今回は、農地売買で失敗しないために、農地を売却する方法と価格相場について、基本知識を交えながら解説します。
この記事は、
1.所有する農地を売りたいと考えている
2.農地が売れる具体的な価格を知りたい
そのような考えをお持ちの場合、本記事内容は役に立つ内容になっています。
▼農地売買の悩みをスッキリ解決! |
農地売買とその方法について分からないことがあるとモヤモヤすることって多いですよね。 「農地売買で失敗したくない…」 「売り買いする方法が分からない…」 「農地の価格相場を知らない…」 今回は、このような悩みを持った方に対して、農地売買の流れやその方法を含めて、できる限り分かりやすく細かく解説しています。 |
▼本記事の結論とポイント |
農地を売買するためには、農地を農地として使用しているかいないかで異なります。 更には、親戚や友人等の知り合いに売るか、新しい売却先を見つけるかでも方法が分かれます。しかし、ほとんどの人はネットの不動産屋を通じて売却先を見つけており、スムーズに進めるいぇでおすすめです。 もし、農地の売買で相談する不動産屋がある場合は良いのですが、決めていなければ「タウンライフ」や「HOME4U」を使うことで最適な売却価格を知れたり、相談することができます。 先に結論を見たい方は、本記事内の「農地売買のまとめ」に飛ぶとすぐに確認できます。 |
農地を売却するときには許可が必要
まず、農地を所有していても、自分で農業をしないのであれば所有しているメリットがほとんどありません。
もともと農家を経営していたとしても、高齢化などによってリタイアしたいことがありますが、最近は農業を継がない若者が多いので、農地を管理する人がいなくなってしまうことも事実として多いです。
こうした場合、農地を放置しておくと、遊休農地となります。
農業振興地域内に遊休農地があると、
固定資産税が増額されてしまう可能性もある
そのため注意が必要です。
そこで、自分で管理できないなら農地を売却してしまうのが良いのですが、農地は売却するときにも規制があります。
日本では、農業を保護するため、農地の自由なやり取りを認めていません。
まず、農地を農業以外の目的で利用することが認められていませんし、農地の所有者を変更するときには農業委員会に申請をして農林水産大臣の許可を得る必要があります。
農地を売却するときにも農地の所有者が代わるので、農業委員会の許可が必要です。
農地売る2つの方法
農地を売る場合、農地として売る方法と農地を別の目的に転用して売る方法の2パターンがあります。
①農地を農地のまま売る方法
②農地を転用する方法
まずは、所有農地を農地のまま売る方法をご紹介します。
農地のまま売る方法
農地を農地として売る場合、
売る相手(買主)は農家である必要があります。
そこで、農業を営んでくれる人を探さないといけません。この場合、農業関連団体によるあっせんを受けることができます。
農業関連団体には、たとえば農業開発公社や農林業開発センターなどがあります。
地域によって異なるいろいろな団体があるので、調べてみると良いでしょう。
農業関連機関によるあっせんを受けて農地を売却する場合には、仲介手数料などはかからないことが普通です。
ただし、売却価格自体も低額になるので、売却によって大きな利益を得ることが難しいこともあります。
農地を転用できない場合には、農地を農地のまま売るしかありませんが、できれば転用して売却する方が、選択肢も広がりますし、売る側にもメリットがあります。
農地を転用して売る方法
農地を売却する方法の2つ目として農地を転用してから売る方法があります。
農地の転用とは
農地転用とは、
農地を農業以外の目的で利用することを認めてもらう手続きのことです。
転用をして売却する場合には、転用後農地をどのように利用するのかについて、農業委員会に説明をして了解してもらう必要があります。
例えば、以下の3種類の転用目的とする場合、以下のような反応が一般的です。
【農地転用の一例】
農業委員会
「農地以外に何をする予定ですか?」
農地所有者A
「家を建てたいです」⇒【◯】:転用可能と判断されやすい
農地所有者B
「遊園地を作りたいです」⇒【△】:条件や周辺環境を確認して転用できる場合がある
農地所有者C
「超高層マンションです」⇒【▲】:条件や周辺環境を確認して転用できる場合があるが厳しい
農地転用で農地を売却する
農地の転用をして売却する場合、売買契約をするときに、売却後にどのような事業が行われるのかを考えて事業計画を立てる必要があります。
農地を転用して売却すると、農地を宅地などの他の目的に利用できるので、高額な価格で売却することも可能になります。
また、農家以外の人も購入候補者になるので、買主を探しやすいですし、一般の不動産業者に仲介をしてもらうことも可能になります。
このようなことから、農地を転用できるケースであれば、農地転用して売却をした方がメリットがあります。
転用が認められるケースとは
農地の転用をしてから売却した方が良いとは言っても、すべての農地で転用が認められるわけではありません。
日本では農地保護の政策がとられているので、優良な農地は転用が認められません。
農地にはいくつか種類があり、種類によって転用が「認められるケース」と「認められないケース」があります。
具体的には、以下の通りです。
農用地区域内農地
自治体によって指定された農用地区域内農地の場合には、
原則として農地転用は不許可
となります。
甲種農地
甲種農地は、特に優良な農地です。
原則として農地転用は不許可
となります。
第一種農地
第一種農地も優良な農地です。
原則として農地転用は不許可
となります。
第二種農地
第二種農地は、ある程度の市街化が進む可能性のある地域の農地です。
この場合には、周辺の土地に代替性がない場合、
農地転用を許可
されます。
第三種農地
第三種農地は、市街化が進む可能性の高い地域の農地です。この場合には、
原則として農地転用が許可
されます。
以上のように、農地にはいくつも種類がありますが、中でも転用が認められるのは第二種農地と第三種農地のみです。
これら以外の場所に農地がある場合には、原則として農地転用は認められません。
基本的に転用を諦めて、農地のまま売却をするしかなくなります。
農地売買の手続きの流れ
次に、農地売買の手続きの流れについて、確認していきましょう。
農地を農地として売る手続き
農地を農地として売却する場合には、手続きはさほど難しくありません。
自分で買い主を探すか、農業関連機関のあっせんを受けて買い主を見つけて、売買契約を締結します。そして、契約通りに代金の支払いを受けて、農地を引き渡し、所有権移転登記を移転するだけです。
農地を転用して売る手続き
これに対し、農地を転用して売却する場合には、手続きの流れが複雑になります。
農地を転用して売却する場合、まずは買い主を探して売買契約を締結しなければなりません。
農地の売買契約をするときには、農地転用が認められるとは限らないため、仮登記という仮の登記をすることが多いです。
そして、この売買契約と売却後に実施する予定の事業を前提に、農業委員会に農地転用の申請をします。
農地の転用が認められるためには、一定の基準を満たさなければなりません。
この基準を「一般基準」と言います。
農地転用の一般基準
具体的には、以下の要素によって一般基準を満たしているかどうかが判断されます。
- 申請の目的を実行できるだけの資力と信用がある
- 転用する農地に関係する権利者の同意がある
- 転用許可が出たら、速やかに目的のために使われる蓋然性が高い
- 許認可が必要な事業を行う場合、必要な許認可を受けられる蓋然性が高い
- 事業のために協議が必要な場合、行政と協議をしている
- 転用する農地とともに使用すべき土地がある場合、その土地を利用できる蓋然性が高い
- 農地の広さが事業目的のために適正である
- 周囲の農地等に影響がある場合、適切な措置を講じられる
このような基準をクリアして農地転用の許可が認められたら、農業委員会によって「許可指令書」が渡されます。
この許可指令書を使うと、法務局において、農地の所有権移転登記ができます。
売買契約書作成の注意点
農地の売買契約書を作成する場合には、農業委員会で転用が不許可になる可能性を考えておく必要があります。
そこで、もし農地転用が不許可になったら、契約が当然に失効して白紙に戻るという内容にしておく必要があります。
この場合、当事者の責任によるものではないので、違約金は発生しません。
手付金の受け渡しがある場合でも、農地転用が認められなかった場合には、全額が戻ってきます。
農地転用の2種類の手続き
農地を転用する手続きには2つの種類があります。
1つ目は、
農地の利用目的のみを変更する場合
もう1つは、
農地の利用目的と所有者を変更する場合
です。
農地を売却する場合には、後者の「農地の利用目的と所有者の両方を変更する手続き」が必要です。
農地の利用目的のみを変更して、後から売却することも可能ですが、その場合、いったん農地の所有者が転用後の事業を実行しないといけません。
農地転用をするためには、何かしら農地を農地以外のことで使うための事業に利用しなければならないのです。転用のための転用は認められないということです。
そこで、農地の利用方法のみを変更するためには、自分自身で駐車場経営などの活用をしないといけないので、その手間はかかってしまいます。
利用目的のみの変更は、もともとの目的が農地売却なら効率は悪くなります。
ただ、すぐに買い主が見つからない場合などには、いったん農地の利用方法のみを変更して活用を行ないながら、ゆっくり買い主を探す方法もあります。
農地を売る時の価格相場
農地を売却する場合、どのくらいの価格で売れるのかも重要になります。
以下で見ていきましょう。
農村部より都市部が高額になる
農地は、日本中にたくさんあるので、どの地域にあるどのような農地かによって、相場価格は異なってきます。
農地を農地として売却する場合、価格は低くなりますが、その中でも農村部の純農業地域は特に価格が低いです。
ある調査結果では、10アール(約1反)で、田の場合に127万円、畑の場合に92.4万円程度とされています。
これに対し、都市部の農業地域では、比較的価格相場が上がります。
具体的には、10アールで田の場合に358.9万円、畑の場合に346.7万円程度という調査結果となっています。
農地が高額な地方と低額な地方
地域別で見ると、全国の中でも、農地価格が安い地方は北海道や東北、九州などとなっています。これに対し、東海や近畿、四国などでは比較的農地価格が高めです。
農地価格は下落傾向にある
農地を農地のまま使いたいという人が減っているため、近年では農地の価格は全体的に下落傾向にあります。
結局、農地を農地のままで売ると非常に安くしか売れないため、なるべくなら農地を転用して売却した方が得になります。
農地売却で不動産仲介業者に依頼できる?
農地を売却する場合、農地として売却する場合には、不動産業者に仲介を依頼する事はまずありません。
それは売却価格が低く購入者も探しにくいため、不動産業者にとっても利益がでませんし、売却する側にとっても不動産業者に依頼するメリットが小さいためです。
これに対し、農地転用をして売却する際には、不動産業者に依頼することが多くありメリットがあります。
この場合、購入希望者は広く一般から探すことになりますし、売買契約の締結の際などにいろいろな注意点があり、不動産業者に依頼するメリットも大きくなるからです。
不動産仲介業者に依頼すると、それなりの手数料がかかる事も頭に入れておく必要があります。
具体的には、土地の面積が400平方メートル以上の場合、「売却価格×3%+6万円」の価格の仲介手数料が相場となっています。
仲介手数料には消費税もかかります。
農地転用で売る際の確認項目
農地を転用して売却をする際には、農地の査定をしてもらうことをおすすめします。
転用をすると、宅地と同様に高額で売れる可能性があるため、なるべく高額で売る工夫をすべきだからです。
不動産の査定価格は、不動産業者によって大きく異なります。
同じ土地でも、業者によって数百万円以上の差額が出ることもあります。そこで、なるべく高い金額で売ってくれる業者に依頼する方が高く売れる可能性が上がります。
農地を農地のまま売却するなら不動産業者に依頼するほどの金額になりませんが、転用する場合には、どこの不動産業者に依頼するかによって、成約価格がまったく変わってくる可能性もあるのです。
そのためには1社のみの査定価格ではなく、複数の仲介業者に査定を行なってもらい、価格比較するのが1番賢い方法です。
農地売却でかかる税金は?
次に、農地を売る時にかかる税金をチェックしておきましょう。
譲渡所得税がかかる
農地を売ると「譲渡所得税」がかかります。
譲渡所得税とは、不動産を売却したことによって得られる利益にかかる税金です。
そのため、農地を転用して高額で売却すると大きな譲渡所得税がかかる可能性があります。
譲渡所得税の税率は、土地を所有していた期間によって大きく異なってきます。
土地所有期間が5年以内の短期譲渡所得の場合には、所得税率が30%、住民税の税率が9%となるので、合計で39%もの税金がかかります。
これに対し、土地所有期間が5年を超える長期譲渡所得になると、所得税率15%、住民税の税率が5%の合計20%となり、一気に税率が下がります。
農地を売却するなら、5年を超えてから売却した方が税金面で得になります。
なお、農地を農地として売却する場合、譲渡所得税の特別控除を受けることができる可能性があります。
たとえば、農業経営基盤強化促進法という法律による促進事業で農地を売った場合などには、農地の望ましい利用を促進することに貢献するので、譲渡所得税が800万円控除されます。
所有期間で税金が変わる
農地を所有した期間で税金が変わってきます。
▼5年以内(短期譲渡所得)
所得税率30% / 住民税率9%
▼5年以上(長期譲渡所得)
所得税率15% / 住民税率5%
※農地を農地として売る場合は譲渡所得税800万円が控除対象
農地売買のまとめ
以上のように、農地を売却するときには、農地を農地のまま売却する方法と、農地を転用して売却する方法があります。
転用が認められない地域もありますが、農地を転用して売却した方が高額で売れますし、買い主も探しやすいので、なるべくなら農地を転用して売却した方がメリットが大きいです。
農地の売却を検討しているなら1社のみではなく複数社で比較した査定を行なってから、大きな利益を得られるように売却を考えていきましょう。
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