不動産の個人売買は可能?仲介する時の流れとメリット・デメリット・注意点など

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不動産の売買をするとき、不動産会社を入れると仲介手数料が発生します。金額的にもかなり大きくなるので、できれば個人間で売買したいと考える方も多いです。

しかし個人間売買をするときには、不動産会社が調査や説明をしてくれないので、さまざまなリスクが発生します。

「家を売りたいけれど、不動産会社を通じないで直接個人間でやり取りしてもいいの?」

「個人で不動産を売買すると、リスクがあるって言われるけれど、どんな問題がある?」

「個人同士で家を売買するときの流れを知りたい」

そんな悩みや疑問を抱える方のために、今回は、不動産の個人売買をする時の流れや注意点をご説明します。


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目次

不動産の個人売買は法律上許されている

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「不動産の個人売買」とは、家や土地などの不動産を、不動産会社の仲介なしに個人間だけで行うことです。

一般に「不動産の売買」というと、不動産会社を入れて行うものという認識がありますが、実際には不動産会社の仲介は必須ではありません。

通常は、不動産会社を入れた方が楽で安心だから仲介をしてもらっているだけのことで、自分たちさえよかったら仲介を入れなくても良いのです。

 

例えば、兄弟間やその他の親族間で不動産の売買をするときには、わざわざ不動産会社を入れずに、自分たちだけでやり取りをした方が費用もかからず簡単なので、不動産会社を入れないことが多いです。

友人同士、会社の同僚、上司と部下などの人間関係がある場合にも、個人間で売買するケースがあります。

個人売買は違法ではありませんし、実際に行われることも多々ありますが、不動産会社を入れる場合よりもいろいろなリスクが高くなるので注意が必要です。

 

不動産の個人売買のメリット

不動産会社を入れずに個人間で売買すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

1.仲介手数料が不要

個人売買の最大のメリットは、不動産会社の仲介手数料が不要なことです。

不動産会社に仲介を依頼すると、売買が成約したときに、仲介手数料を払わなければなりません。

売主側と買主側、双方がそれぞれ支払う必要があります。

金額は、不動産の売買価格の(3%+6万円)+消費税です(売買価格が400万円以上の場合)。

例えば、3000万円で家が売れたとき、仲介手数料は1036800円にもなります。

よって、不動産会社に依頼しなければ、仲介手数料の分、100万円以上も費用を節約できます。

これが親族間の取引だと、実質的な節約額はより大きくなります。

たとえば兄弟間で取引するとき、不動産会社に依頼したら、1038600円×2=2073600円分も不動産会社に持って行かれることになります。

そのようなことをするくらいなら、自分たちで売買してしまおう、と考えるのも当然です。

 

不動産の個人売買のデメリット

不動産の個人売買にはデメリットも多いので、確認しましょう。

1.相手を自分で探す必要がある

不動産会社に仲介を依頼したら、不動産会社が買主候補を見つけてきて紹介してくれます。売主自身は何もせずに待っているだけでかまいません。

内見などの対応も、不動産会社がリードしてテキパキと進めてくれますし、問題のありそうな相手だったら不動産会社が注意を促して、取引をやめておくようにアドバイスしてくれることもあります。

契約締結までの交渉も、不動産会社に全面的に任せられます。

自分で対応していたら、誰も取引相手を探してくれないので、自分で買主を見つける必要があります。

相手がどのような人か、安全に取引できそうかなど、自分で判断しなければなりませんし、売買価格などの条件交渉も自分で行う必要があります。

このようなことは、素人には荷が重い作業です。

 

2.問題を調査してくれない

不動産会社に仲介を依頼すると、対象物件についての「調査」が実施されます

何年に建築されたどういう物件で、瑕疵がないか、管理会社はどこか、建築制限などの法律上の規制がないかなど、さまざまな角度から検証し、安全に取引をするための前提を整えていきます。

しかし個人売買の場合には、誰もこのような事前調査をしてくれないので、買主が自分で調べるしかありません。調査力が不足すると、その分リスクが増大します。

 

3.重要事項を説明してもらえない

不動産会社を入れて売買契約を締結する場合には、契約前に不動産会社が「重要事項説明」を行います。

重要事項説明とは、不動産売買を行うに際して重要なポイントを、不動産会社が依頼者に対して説明することです。

具体的には、以下のようなことが説明事項とされています。

  • 登記されている権利の種類や内容、名義人など
  • 都市計画法、建築基準法などの法令による制限の有無、内容
  • 私道負担について
  • 電気ガス、水道、下水などのインフラ整備状況
  • 建築中の建物の場合には完成内容、造成中の宅地であれば完成時の状況
  • マンションの場合、区分所有権の種類や内容、管理、使用について
  • 売買代金以外に必要な金銭の額と目的
  • 契約の解除について
  • 損害賠償の予定、違約金について
  • 手付金、預り金などの金銭について
  • 瑕疵担保責任について
  • 瑕疵担保責任の保証保険について

不動産会社の場合、こういった契約に重要なことを1つ1つ説明してもらえるので、安全に取引ができます。

しかし個人売買の場合、誰もこのようなことを教えてくれないので、すべて自己責任となり、リスクが高まります。

 

4.契約書を自分で作成

不動産売買をするときには、トラブルを防止するために、必ず「売買契約書」を作成すべきです。

不動産会社に仲介を依頼すると、不動産会社が売買契約書を作成してくれるので、依頼者は簡単にチェックするだけで済みます。

これに対し個人売買の場合には、一から自分たちだけで契約書を作成しなければなりません。

売買金額、不動産の表示などはもちろんのこと、損害賠償、手付金、契約解除、ローン特約、瑕疵担保責任などの重要な点について、すべて自分で正確に表記しなければならないので、慎重な対応を要求されますし、素人なので間違いも起こりやすいです。

 

5.トラブルになりやすい

不動産会社が間に入っている場合、売主と買主のどちらかが相手に不信感を抱いても、不動産会社が間を取り持ってくれたり、相手の真の意図を聞き出してやんわりと伝えてくれたりするので、重大な問題に発展しにくいです。

しかし個人間取引の場合には、相手と直に話をするので、いったん不信感を抱いたらお互いに感情的になってトラブルになりやすいです。また、お互いに素人なので調査や確認が欠如して、「引き渡しを受けたら思っていたのと違った」というリスクが高くなります。

買主が「このようなことは聞いていない」などと言い出して、トラブルが発生することも多々あります。

買主がもとよりそういった筋のややこしい人である可能性もあります。

 

6.手間がかかる

個人で不動産を売ろうとすると、とても手間がかかります。

まずは自分で広告を出して取引相手を探さねばなりません。購入希望者が現れたら、どのような人物か、信用できるのか調査が必要です。

内見などの案内も自分で行う必要がありますし、相手に気に入ってもらうための営業トークもあった方が有利です。

売買契約書も自分で作らねばなりませんし、現況確認や物件の調査など、すべて自分で行う必要があります。

司法書士も紹介してもらえないので、司法書士事務所を訪ねて登記を依頼するか、自分で法務局に行って登記申請しないといけません。

このように個人売買をすると、不動産会社によるサポートを受けられない分、非常に手間がかかることが大きなデメリットとなります。

 

 

不動産の個人売買の必要書類とは?

不動産を個人売買するとき、どのような書類が必要になるのでしょうか?不動産会社に仲介を依頼するケースと異なる点があるのか、みてみましょう。

1.用意する書類

不動産売買の必要書類は、売主側と買主側で異なります。

売主側の場合、最低限、以下の書類が必要です。

  • 身分証明書
  • 全部事項証明書
  • 登記識別情報、不動産権利証
  • 建築確認済証、検査済証
  • 固定資産税評価証明書
  • 住民票
  • 印鑑登録証明書、実印
  • マンション管理規約、議事録、修繕計画書

また、以下の書類もあることが望ましいです。

  • 土地測量図、境界確認書
  • アスベスト診断書、耐震診断の書類
  • 優良認定住宅であることを示す書類
  • 不動産を購入した際のパンフレットやチラシ、説明書など

 

買主側の場合、以下のような書類が必要です。

  • 身分証明書
  • 実印、印鑑登録証明書
  • 住民票

ローンを利用する場合には、所得証明書などの書類を金融機関に提示する必要があります。

 

2.重要事項説明は不要

不動産会社を通じて不動産売買を行うときには、当事者双方に「重要事項説明書」が交付されます。

このことから、「個人売買の場合には、個人で重要事項説明書を作成しなければならない」と考えられていることがあります。

しかし、個人間の場合、重要事項説明書は不要です。

重要事項説明は、不動産会社に課された法律上(宅建業法)の義務です。不動産会社がきちんと重要事項説明を果たしたことの証明のために、重要事項説明書の作成が義務づけられています。

個人で取引する場合、売主に重要事項説明義務はありませんので、重要事項説明書を作成する必要はありません。

ときどき、個人売買の売主の方が、わざわざネット上のテンプレートなどで見よう見まねで重要事項説明書を作成しているのを目にしますが、そのような努力は不要です。

 

不動産の個人売買でかかる税金は?

不動産の個人売買でかかる税金は、不動産会社に依頼するときと異なるのでしょうか?

以下で、売主と買主に分けて確認しましょう。

1.売主にかかる税金

  • 譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産を売却して利益を得られたときに発生する税金です。

不動産の所有期間に応じて税率が異なります。

個人売買であっても、購入価格とかかった費用の合計よりも売却価格の方が高額で、利益が出ていたら譲渡所得税が発生します。

譲渡所得税が発生すると、住民税もかかります。

譲渡所得税の納付が必要な場合、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。

  • 印紙税

印紙税は、売買契約書に貼付する収入印紙代のことです。

売買代金によって金額が異なります。

売買価格が1000万円を超えて5000万円以下であれば印紙代は2万円、5000万円を超えて1億円以下であれば印紙代は6万円となります。

  • 登録免許税

登録免許税は、不動産の登記をするときにかかる税金です。

売主が住宅ローンを組んでいる場合、売却の際に抵当権を外す必要がありますが、その登記費用は売主が負担します。金額は不動産1件について1000円です。

 

2.買主にかかる税金

  • 不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物など不動産を取得した人にかかる税金です。

不動産を購入した後、しばらくすると自治体から納付書が送られてきます。

  • 印紙税

買主も、売買契約書の印紙代を負担する必要があります。金額は売主の場合と同じです。

  • 登録免許税

買主の場合、不動産の「所有権移転登記」にかかる登録免許税を負担する必要があります。

金額は、土地については固定資産税評価額の15%、建物については固定資産税評価額の3%となっています。

上記の税金については、不動産会社に仲介を依頼するケースでも個人売買するケースでも同じです。

 

3.消費税について

不動産会社に依頼するときには、仲介手数料にかかる「消費税」の支払いが必要ですが、個人売買の場合には不要です。

登記申請を司法書士に依頼する場合には、個人売買でも消費税を足して司法書士報酬を支払う必要があります。

 

住宅や土地を個人売買するときの流れ

住宅や土地などの不動産を個人売買するときには、どのような流れとなるのでしょうか?

売主の立場からみた流れをみてみましょう。

  • 売却物件の相場を確認
  • 資料の準備
  • 売却価格を決めて広告を出す
  • 問い合わせに対応
  • 条件交渉
  • 売買契約書の作成
  • 契約締結
  • 決済、引き渡し
  • その後のやり取り

以下で、順番に確認します。

 

①.売却物件の相場を確認

不動産会社に仲介に入ってもらう場合、不動産会社が物件の査定を行い、売り出し価格や実際に取引する価格は、査定額を基準に決めます。

これに対し、個人で売り出す場合には、不動産会社が査定を出してくれないので、自分で価格相場を調べて適正な値付けをする必要があります。

不動産の相場を調べるとき、次のような方法を利用しましょう。

レインズ(不動産流通機構)の取引事例をチェック

レインズとは、国から指定を受けた不動産流通機構が運営している不動産取引のネットワークです。

全国の宅建業者が加入して、情報を交換しています。

レインズのサイトでは、全国のさまざまな物件の取引事例を発表しているので、自分の売りたい物件と類似する事例をいくつかあたることにより、だいたいどのくらいで売れるのか、把握できます。

http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do

 

土地総合情報システムを利用

国土交通省の土地総合情報システムというサイトでは、土地の取引事例を紹介しています。

土地に関しては、こちらのサイトで相場を把握できます。

ただし、詳細な番地まではわかりませんし、実際の土地状況についてまでは掲載されていません。

http://www.land.mlit.go.jp/webland/

 

近隣の売り出し情報をチェック

近隣で同じような条件の不動産が売り出されていたら、それに近い価格が相場価格となります。

チラシやネットの情報などで、近隣の売り出し情報を確認しましょう。

 

不動産一括査定サイトを利用

インターネットの不動産一括査定サイトを使って、複数の不動産会社にだいたいの相場を出してもらうのも1つの方法です。

不動産会社に査定をしてもらったとしても、実際には依頼せず査定書だけをもらっておくこともできるからです。

複数の業者から査定額を出してもらい、平均値をだいたいの相場として価格設定しましょう。

 

②資料の準備

売り出したい住宅や土地、マンションなどの建築図面や不動産の全部事項証明書、検査済証、登記識別情報など、売り主に物件内容を説明するために必要な書類を用意します。

 

③売却価格を決めて広告を出す

次に、売り出し価格を決定して広告を出します。

事前に調べておいた取引事例や査定内容、公示地価価格や近隣の物件売り出し情報を参考にしながら、価格を決定しましょう。

不動産を売るときには、ほとんど必ず値下げ交渉をされるので、実際に売りたい価格よりは多少高めに売り出すことをお勧めします。

ただし、近隣の物件と比べてあまりに割高だと売れにくくなるのでさじ加減が重要です。

広告出稿方法はネットがお勧め

個人で物件売却をするために広告を出すときにはネット上の不動産情報サイトを利用しましょう。今、「不動産を買おう」とする人は、ほとんどの場合にネット広告で検索するからです。

こうしたサイトは有料ですが、不動産会社へ支払う仲介手数料を節約するための必要経費です。

広告を出せる不動産情報サイトには、以下のようなものがあります。

  • Yahoo!不動産

6か月間の契約で、月額1万円

メールなどの実際の問合せの数により、その都度課金されます。

  • スーモ

個別に見積もられて金額が決定します。

  • アットホーム

月額1万円

  • ホームズ

月額1万円で、問い合わせによってその都度課金されます。

売り出し広告を載せるならば、上記のような大手の有名サイトを利用すべきです。無料で広告を出せる小さなサイトもありますが、閲覧者が少なく効果が小さいのでお勧めではありません。

その他の方法

その他の広告方法としては、折り込みチラシを作って配布する方法、知人や会社の同僚、親戚などに紹介してもらう方法などがあります。

ただし、これらの方法では、集客できる範囲が限定されます。ネット広告と併用するのが良いでしょう。

 

④問い合わせへの対応

広告を見た人から問合せがあれば、自分で調べて正確に答える必要があります。

虚偽の説明をすると、後に「詐欺」と言われる可能性もありますし、トラブルにつながります。

また、「現地を確認したい」「中を見せてほしい」と言われたら、自分で時間を調整して招き入れ、対応しなければなりません。

契約に至る前、相手から「なぜ仲介業者を入れないのですか?」「もし瑕疵があったらきちんと責任を取ってくれるのか?」などの質問を受けることも想定しておかねばなりません。

よどみなく説明できるように、準備しておくべきです。口ごもってしまったら、不審に思われて取引してもらえなくなるでしょう。

 

⑤条件交渉

問い合わせてきた人が物件を確認した結果、購入を希望するのであれば、条件交渉に入ります。

多くの場合、相手は値下げ交渉をしてくるので、どこまで応じられるか検討して、詰めていく必要があります。

間に誰も入らないので、少しでも信用を失うような言動があったら契約は破談になると考えましょう。

 

⑥売買契約書の原稿を作成

条件交渉が済んで合意ができたら、その合意内容を売買契約書にまとめます。

不動産会社が契約書を作成してくれないので、自分たちで契約書を作成する必要があります。

ネット上のテンプレートなどを参考にするのも良いですが、テンプレートだけでは個別の事案に対応しきれません。

後々のトラブルを避けるためには、細かい点まで配慮しながら綿密に作成していく必要があります。不安なときには弁護士に相談してアドバイスを受けると良いでしょう。

 

⑦契約締結、手付金の授受

契約書の原稿を作成したら、買主と共に契約書に署名押印をして、完成させましょう。

このときには、必ず実印を使う必要があります。印紙も忘れずに貼付しましょう。

売買契約締結時には「手付金」の授受を行うのが通常です。

手付金とは、売買契約の成立を証明するためのお金で、いったん手付金の授受があると、契約当事者は自由に契約を解除できなくなります。

買主が契約を解除したいときには、支払った手付金を放棄する必要がありますし、売主が契約を解除したい場合には、受け取った手付金を2倍返ししなければなりません。

手付金の金額に法律上の制限はありませんが、売買価格の1割や、100~300万円程度とすることが多いです。

 

⑧決済、引き渡し

売買契約時に定めた決済日が来たら、売主は買主から残代金の支払いを受けて、買主に物件の鍵と所有権移転登記に必要な書類を引き渡します。

固定資産税やマンション管理費の清算も、この時に行います。

 

⑨登記、瑕疵への対応

登記を司法書士に依頼しない場合には、買主が自分の負担で所有権移転登記を行います。

また、売却後に物件に瑕疵があることが発覚した場合、売主に「瑕疵担保責任」が発生する可能性があります。

瑕疵担保責任とは、物件に隠れた傷があるときに、買主が売主に追及できる責任です。

たとえばシロアリが巣くっていたり、立て付けが悪くなっていたりして物件に瑕疵があった場合、売主は瑕疵修補や損害賠償に応じる必要があります。

ただし、買主の主張が合理的でないこともあるので、見極めが重要です。

 

住宅や土地を個人売買するときの注意点

住宅や土地を個人売買するときには、以下のようなことに注意が必要です。

1.広告の手段が限定される

不動産を自分で売り出すときには、不動産会社に依頼するときと比べて広告の手段が限定されます。

不動産会社ならば、自社のサイトに広告を出したり自社のコネクションを使ってより広い範囲でチラシを配ったり、独自のルートで購入希望者を探したりできます。

しかし個人の場合には、不動産ポータルサイト利用するくらいしか方法がありません。不動産会社が当然のように利用していて物件情報が非常に多彩な「レインズ」に情報登録することすらできません。

このように、良い購入希望者を見つけるハードルが高くなります。

 

2.詐欺も多い

不動産の個人売買には、詐欺も多いので注意が必要です。売主と買主に分けて、どんな詐欺があるのかみてみましょう。

売主の場合

売主の場合、「高額で購入する」と言って近づいてきて、言葉巧みに登記に必要な書類を預かられ、いつのまにか所有名義を勝手に書き換えられて、不動産をとられてしまう被害があります。もちろん代金は支払ってもらえません。

買主の場合

買主の場合、「良い物件がありますよ」「仲介手数料がもったいないから、自分たちだけでやり取りしましょう」などと言って近づいてきて、売買契約書を作って代金を支払ったら逃げられてしまうケースなどがあります。

また、不動産についての説明が全く事実と異なっており、受け取った物件に利用価値がないケースもあります。

登記上の面積と実際の面積が全く異なるのでトラブルになる事例も多いです。

 

3.瑕疵担保責任の存続期間

個人間売買の場合には、瑕疵担保責任の存続期間に注意が必要です。

民法の原則では、瑕疵担保責任の存続期間は「買主が瑕疵の存在を知ってから1年間」です。このままでは、買主が瑕疵に気づかない限り、いつまでも瑕疵担保責任が発生する可能性があり、売主の立場が不安定です。

瑕疵担保責任は期間を短くしたり免除したりすることも可能なので、実際に中古不動産の取引をする場合には、期間を引き渡し後3か月としたり免除したりすることも多いです。

個人間で取引するときには、不動産会社が間に入ってアドバイスをしてくれないので、お互いが納得するように、どちらかの負担が重くなりすぎないように、適正に瑕疵担保責任の期間を定めることが大切です。

 

4.ローンを借りにくい

不動産を個人売買すると、住宅ローンを利用しにくいです。

多くの金融機関は、不動産会社が仲介に入らないと、住宅ローン審査に通さないからです。

住宅ローンの申請の際に「売買契約書」と「(不動産会社の)重要事項説明書」をセットで要求してくる銀行がほとんどです。

買主に現金がない場合、銀行や公庫などでは借入が難しくなるので、どうしても買いたいなら民間のローン会社で借り入れをするしかなくなる可能性が高いです。そうなると、利息がかなり高額になり、返済が厳しくなります。

一括で不動産を購入できる買主を探すのは大変なので、買主がローンを使えないのは売主にとっても不利益です。

 

よくある不動産個人売買のトラブル

不動産の個人売買では、以下のようなトラブルが発生しやすいです。

1.売主側

  • 不動産をだまし取られた(代金を支払ってもらえない)
  • 不動産を不当に安い価格で買い叩かれた
  • 引き渡し後、瑕疵がないのに瑕疵担保責任を追及された
  • 不合理に高い瑕疵修補費用や損害賠償請求をされた

2.買主側

  • 代金を支払ったら、持ち逃げされた
  • 建築制限など、使用方法に制限のある不動産だった
  • 産業廃棄物が埋まっていた
  • 以前に殺人事件や自殺があった事故物件だった
  • 聞いていた土地面積と全く違う
  • 隣地との境界が確定されておらず、隣人とトラブルになった

 

不動産を個人売買するときのポイント

不動産を個人売買するときには、以下のようなことがポイントとなります。

1.相場

不動産を売却するにしても購入するとしても、不動産の相場を把握することが非常に重要です。

相場を知らないで売却したら、不当に安く売ってしまって後から後悔することになりますし、相場を知らずに高値で購入したら損になるからです。

不動産会社を介するときには、不動産会社が適正な相場を教えてくれるので、あまり大幅に相場価格から外れることはありませんが、自分たちで取引する場合には誰も教えてくれないので、すべて自己責任です。

 

2.相手が信用できる人か、見極める

個人売買では不動産会社が入らず重要事項説明もなく、詐欺も横行しやすいので、取引の相手が信用できる人か、しっかり見極めることが必須です。

 

売主の場合、やたらと好条件を提示してくる相手や、実印や委任状などを預かろうとする人は、怪しいと考えましょう。機会を見て不動産を奪い取ろうとしている可能性があります。委任状は、取引の相手に渡すべきではありません。役所などの手続きで委任が必要なときには、相手ではなく自分の家族などに対応してもらいましょう。

買主の場合、やたらと割安な物件に注意が必要です。

安いと思って飛びつくと、実は事故物件とか建築制限のある物件とか、廃棄物が埋まっているなど問題のある物件である可能性があります。

代金を支払った後で気づいても、相手に逃げられたら誰も保証してくれませんし、相手の瑕疵担保責任が免除されていたら、責任追及できない可能性があります。

個人売買では、お互いに真摯に対応しているまともな取引相手であることを確信してから取引に入らないと危険です。少しでも不信感を持ったら取引しないことです。

 

3.現況をしっかり確認

個人売買するときには、不動産の現況をしっかり確認することが重要です。

相手が素人なので、正確に不動産についての説明ができていないことが多いためです。

実際に見てみると、聞いていなかった傷や相手本人も気づいていない問題があるケースも多いですし、物件の概況図面とは異なるリフォームが施されているケースなどもあります。

 

4.法律的に問題がないか、綿密にチェック

不動産には、さまざまな「法律的瑕疵」があります。

法律的瑕疵とは、建築制限などの法令による制限のことです。

たとえば高さ制限や階数制限、容積率の制限、土地の分筆制限など、法律や各地の条例によってさまざまな規制内容があります。

そのようなことを知らずに購入してしまったら、後で必要な建て替えやリフォームなどをできず、困難な状況になります。事前にしっかり調べておきましょう。

 

5.手付金の額の決定と理解

個人間で売買するときにも「手付金」の授受を行うことが普通です。

ただ、個人間の場合には、手付金をいくらにすべきかを決められなかったり、手付金の交付の意味を把握できなかったりすることが多いので注意が必要です。

手付金の金額には法律上の決まりはないので、迷ったら100万円程度にしておくと良いです。

また手付にもとづく解約は、債務不履行とは異なるので、「理由」がなくても可能です。

このような法律的な手付金授受の意味を、両者が正確に理解して、契約書内に反映しておくことと、トラブルを防止しやすいです。

 

6.固定資産税、マンション管理費清算金について

不動産を売買するときには、固定資産税やマンション管理費、修繕積立金などの清算を行う必要があります。

固定資産税は、その年の1月1日に不動産を所有している人のところに1年分の納付書が送られてきます。不動産を年度途中で支払う場合には、売買後の固定資産税を買主が負担すべきなので、売主の過払い分を清算します。

そのために固定資産税の納付用紙によって固定資産税の年額を確認し、日割り計算をして双方の負担分を確定します。

マンションの場合、売主は毎月管理費用や修繕積立金を支払っています。

月の途中でマンションを売るときには、引き渡し後の管理費と修繕積立金を買主が負担すべきなので、日割り計算をして、清算する必要があります。

これらの固定資産税とマンション管理被害者、修繕積立金の精算金は、決済当日に残代金と共に支払うことが通常です。

当事者同士の取引だと、清算を忘れるケースもあるので、注意しましょう。

 

7.ローン特約について

買主がローンを利用して不動産を購入するケースでは、ローン審査が通らなかった場合のことを考えておく必要があります。

審査に落ちたときにまで、手付にもとづく解除が必要とすると、買主の受ける不利益が大きくなり、売買契約を締結しにくいからです。

一般的に、不動産売買契約で買主がローンを利用する場合には、「ローンが通らなかった場合には、契約を無条件で解除する」という内容のローン特約をつけます。

個人売買ではそもそも金融期間からのローン借入が難しいので、ローンを利用する機会はあまり多くありません。ただしときにはフリーローンや事業用ローンなどを利用して不動産売買をすることも考えられるので、ローン特約のことも覚えておきましょう。

 

8.売買契約が済んだらすぐに登記する

不動産の売買をしたら、不動産の所有者が変わるので、所有権の移転登記をする必要があります。登記をしないで放置していても違法ではありませんが、いつまでも前の所有者のままに見えてしまうので、さまざまなトラブルの原因になるからです。

不動産会社に仲介に入ってもらっていれば、決済日までに司法書士を手配してくれて、登記申請用の書類も揃えて決済当日中に名義書換の登記申請を終えられます。

ところが個人売買の場合、自分たちで自主的に登記の手続きをしないと所有権移転登記ができません。

ときどき、「面倒だから」とか、「司法書士に依頼する費用がもったいないから」、などの理由で、いつまでも所有権の移転登記をしないで放置する買主がいます。

そうすると、以前の所有者である売主のところに固定資産税の納付用紙が届き続けますし、売主が誰か他の人に、二重に不動産を譲渡してしまうかもしれません。

二重譲渡があった場合、先に登記を移転させた方が優先されるので、後から購入した買主が先に登記を備えると、そちらが有効になってしまいます。

そこで個人売買の場合であっても、必ず売買契約が終わったらすぐに法務局で所有権の移転登記をしましょう。

自分で登記の手続をするのが面倒な場合や難しいと感じる場合には、司法書士に依頼すると良いです。

親族間の取引などで、相手が二重譲渡などしないと信用できる場合でも、後に相続が起こった際などにトラブルが予想されるので、やはり早めに名義書換をすべきです。

 

不動産個人売買のまとめ

不動産の個人売買をするとさまざまな高いリスクが発生するので、基本的にはあまりお勧めできません。

親族間で売買するときのように、お互いに気心が知れており、信用できる相手の場合だけにしておいた方が良いです。

確かに不動産仲介手数料はそれなりに高いですが、安全な取引を実現するために、仲介を依頼するだけの価値があります。

今回の内容を参考にして、上手に不動産売買の取引を成功させてください。

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