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「手に職がある」という言葉を聞いたときにイメージされる美容師という仕事。専門的な技術を有している資格により、「数年のブランクがある」「遠くに引っ越さなければならない」という転職時にも役立ちます。年齢を重ねても全国どこに行っても働くことができる人気の職業でしょう。経験を重ねていくうちに「自分だけのお店を出す」という夢を叶える人もいます。ただ、なんらかの事情で売却を考えるケースも少なくありません。これまでの思い入れがある大事な美容院ですから、失敗ないように売りたいものです。

それでは、美容院売却のときに知っておくべきポイントについてまとめていきます。

居抜き物件としての売却はどうか

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開業するために、シャンプー台、鏡、椅子、カウンターなど、特殊な機器を揃えなければならない美容院。売ろうと考えたとき、そのまま売れる「居抜き物件」を考える人も多いでしょう。

居抜き物件とはそもそも…?

居抜き物件とは、店舗そのものに手を加えない現状のまま、他人に売却することです。売却相手は、同業の店舗を営む人に限定されます。

居抜き物件で売るメリットは?

そのままの状態で売れるので、解体や処分費用がおさえられます。

もし、「居抜き物件」と限定しなければ、「美容院以外の店舗をやりたい」という人が、立地を気に入って購入したがるケースもあるでしょう。そんなときに、店舗内にある設備は不要で処分しなければなりません。売却のために設備を解体・処分しなければならず、それに費用を費やすのは「もったいない」と感じるものですよね。

居抜きで売却するときには、「解体しなくてもよい」というメリットのほか、造作譲渡料が入る可能性があります。使える機器をそのまま使ってもらうための仕組みで、譲る機器の状態によって金額は変わります。

買い手に「安くしてほしい」という交渉をされるケースもあるかと思いますが、早く売りたいときには条件を飲んだ方がいいこともあるかもしれません。ケースバイケースですので、心配な点や疑問点があるときには不動産会社に相談するようにしたほうがいいでしょう。

居抜きで売却するときの注意点

一人で美容院を経営していた場合には、自分だけの考えで売却を決断できます。しかし、スタッフを数人抱えて店舗を経営していたなら、居抜き売却で他人に売る時点で経営そのものが終わることを理解しておかなければなりません。当然ですが、スタッフは解雇となり、他の就職先を探さなければならなくなるでしょう。経営者としては、心が痛む結果ですよね。

店舗を売却して事業をたたむときには、経営者として従業員の雇用面を慎重に考えておく必要がありそうです。

解体して売却するときの注意点

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居抜き物件としての売却はコストをおさえられる方法ですが、買い手であるターゲットを限定してしまいます。

例えば、住宅街という立地なら「居抜き物件」ではなく、店舗を解体で取り壊してから土地として売却することで、買い手が見つかりやすくなるかもしれません。解体して売却するときの注意点を考えてみましょう。

解体はどこに依頼すべき?

店舗とはいえ、一般的な美容院は規模が小さめでしょう。

それほど大がかりな建築物ではないので、一般的な解体業者に依頼することができます。

・解体する建物がある地域
・前面道路の広さ
・木造や鉄骨などの構造
・建物のほかに撤去処分するもの
などによって、費用は違います。一般的な戸建て住宅と同じくらいの規模なら、100万円前後はかかることが予想されます。諸条件によっては、さらにかかるケースもあるでしょう。具体的な費用を知るには、見積もり依頼をすることがおすすめです。

また、口頭で教えてもらう見積もり金額には注意しなければなりません。書面で解体範囲を明確にしておかなければ、工事範囲や追加金額のトラブルにも繋がります。見積もり依頼したときには、書面で説明してもらい、内容を把握してから工事をお願いしましょう。

解体費用をおさえるにはどうしたら…

店舗丸ごと解体するときには、「建物の解体費用」「廃材の処分費用」がかかります。また、美容院のなかにある設備が残ったまま解体を依頼すれば、その撤去費用も上乗せされてしまいます。

設備機器の種類や性能、見た目、使用頻度などにもよるかもしれませんが、引き取ってもらえる先があれば解体業者とは別途で依頼したほうがいいケースもあります。

内装解体するのも方法のひとつ

建物はそのまま残し、店舗内だけを解体する内装解体もあります。内部の骨組みだけ残し、いわゆるスケルトン状態にします。結果的に、美容院以外の用途を考えている人にも売りやすくなるでしょう。

事業譲渡できればスタッフの不安がなくなる

 

hairdresser-sell03居抜き物件で売ろうというケースは、おそらく一人で経営していた美容院が多いかもしれません。ただ、なかには「店舗とスタッフをそのまま残したい」と経営者のみが退陣するパターンもあるでしょう。そのときの売却方法が「事業譲渡」と言われるもので、店舗および勤務していたスタッフを丸ごと譲渡する方法です。

営業したまま売却できるので、「スタッフを新規採用しなくてもよい」「店舗と経営を引き継げる」「顧客はそのまま」と、新しいオーナー側のメリットも大きくなります。

「知人に譲りたい」と考えている人もいるかもしれませんが、建物や経営権などを丸ごと売却するときには、後々のトラブル対策が重要です。個人間で契約すると重要な部分を見逃すケースもあるので、専門家に仲介を依頼するなど慎重に行いましょう。

美容室の売却に関するまとめ

特殊な機器を設置している美容院は、売却するときに難しい点が多いです。一般的な不動産売買のように、買い手を広く募れないかもしれません。また、そのまま居抜き物件として売るパターン、建物を解体して売るパターンなど、それぞれの注意点をよく理解しておくべきです。

状況によって選択肢も異なるので、「美容院を売ろうか迷っている」と思ったときには、なるべく早めに専門家に相談してみましょう。